出会ったのが20年近く前になりますが、後に「いつ終わりが来るの?」と思うほど長いものになりました。それは私自身も、当の男も、その婚約者で後に予定通り結婚した相手の女性も。
男と出会った時、私は高校に入ったばかりで当時は女子高生が派手で、コギャルという言葉があった時でした。
思えば、女子高生というだけでとても楽しい時間を過ごせていて当時の女子高生は皆、凄く魅力的だったように思います。
私は学校をサボり彼氏の家に行こうと駅に行くと、カッコイイけど変な感じの若いサラリーマンが待合室にいて目が合いました。
後で聞いたら営業で初めてその土地に来て、小さな駅だから見て行こうと入ったのだそう。少し夢見がちというか浮世離れしているというか、独自の世界を持った人です。
待合室の公衆電話が使用中だったから私は外の電話ボックスに行き、確か彼氏がバイトだから勝手に来て入ってて…というような会話をしてから、私はまた待合室に行こうとしたら、出て来る例のサラリーマンがジーッと私を見て「お前、学校行かないの?」と言って来ました。
何て答えたかは忘れましたが少し言葉を交わして、私は彼氏の家まで送ってと言ったけれど、「時間が無いから今日の夜ここに電話して。必ず」と、電話番号を書いたメモを受け取りました。その時は子供心にも、私を凄く好きになったとわかりました。
次の日か、もっと別の日かは忘れましたが電話をしてみたら口数は少ないものの面白い人でした。24歳の会社員で、私の家から車で40分位の所に一人暮らしで、同い年で何年も付き合っている彼女がたまに泊まるのだそう。
結婚話が進んで春に式を挙げると聞きました。私は彼を面白そうな人だと思って、結婚するのだから浮気したいだけだろうとしか思いませんでした。早速会う約束をして、ドライブに連れて行ってもらいました。
初デート
出会ったその週末に、海にドライブへ行きました。その時は私も子供で、自分に彼氏がいるとか、男にも婚約者がいるとか、何も考えず相手に知られなければ問題はないと。男は、この日会わなければ人生が狂うことはなかったと言います。
男は私の彼氏の事、学校の事、家の事を聞きました。やたら見つめて「面白い奴だな」と言っていました。私は彼女の事は興味がなくて聞きませんでしたが多分、また私に会いたがるだろうし、その調子で結婚ってできるのか少し見てみたい気がしていたのです。
当時は女子高生の援助交際が横行していたので「私とやりたいの?彼氏が働いてるし困ってないから援交はしないよ」とからかったら「俺はそんなジジイじゃねえし、ロリコンでもねえよ」と話したのを覚えています。
ただ、その人の面白いところが小さい駅を立ち寄って見たくなる事、他には廃屋が好きだとか。「変態!」と言って笑いましたが、彼女には話した事がないと言っていて、私達2人の秘密ができたようでした。
その後どこに行ったかは覚えていませんが暗くなってから、彼氏が家に電話をしていないか気になり、もう帰ると言いましたが男は「心配だったら電話して来るか?」と、まだ帰りたくなさそうでした。
この時、もう会えなくなりそうで、どうしたら良いか自分でも分からないくらい好きになったと言っていました。
不思議と私の彼氏がどうとか、自分も私と付き合いたいとかではなく、ただ一緒に居たいと思い、すごく苦しくなったと。
そして、覚えがないのですが私が「帰りたいっつってんの。殺すぞ」と言って舌打ちをして睨みつけてきたそうです。このまま嫌われて諦めて忘れようと思い引き返したそうです。
一方で、私は帰ると分かり安心して、また色々話しました。当時は携帯電話がなく、ポケベルでしたからベル番を教えて別れました。