不倫関係になると奥さんから電話はなくなりました。男が言うには、私と会ってスッキリしたぶん奥さんの事も気にかけるようになったのだと。
でも私も恋人がいて、思うようには会えませんでした。男はそれでも、電話をしたら話して、たまに会える時に会ってくれれば良いと。
3年生になり、また私は新しい恋人ができて男からの電話も鬱陶しくなるほど恋人と熱烈な恋をしました。
その人は年上で、私が卒業したら結婚しようと約束しました。当時は携帯電話を持つ人も多くなった時期で私も持ち初めて男も持って頻繁にかけてきては、男は私のノロケ話を聞いていました。
楽しそうに話を聞く男に私も気が緩み、また会うようになりました。彼氏の事が好きであろうと、その時まだ子供だった私はからかって手を繋ぐとはにかむ男が面白かったのです。
それがエスカレートしてまた関係を持ちました。もう、奥さん知られたらとか、これを知ったら怒りがあの時とは比べ物にならないはずだとかは全く気にせずにいました。
いつも通り彼氏が私を家のそばまで迎えに来てデートだという時、車に乗り込むなり固い紙のような束を投げつけられました。何が起こったのか分からず、とにかくその投げ付けられて散乱した紙を見ると、私と男が映る写真でした。
いつどこで撮った??という、手を繋いで親密さを露わにしたバカ丸出しの写真でした。よく覚えていますが、とっさに言い訳をしようにもしっかりと映る変えたばかりの髪型と、彼氏に最近買ってもらったバッグがそうさせてくれませんでした。
ほとぼりが冷めてから聞くと、興信所とやらに依頼した奥さんが彼に送りつけたのでした。今にしてみれば、当時の私は本当にバカだったのでしょう。男に同情を乞い、奥さんに宣戦布告をしました。
意地になった若い愛人
男に同情を乞うと、もともと私を好きになって結婚を迷ったのだから男は奥さんを責めました。そして、私は本気になって思い知らせてやろうと愚かで罪深い行動に走りました。
男には「あんなに奥さんが苦しjんでいるんだから会わない方が良い。あんなに恨まれているのは苦しいし、もう私はダメになりそうだから別れたい。もう忘れてほしい」そう言いました。
そう言ってしまえば男はどうするか分かっていました。
すぐに、奥さんに離婚してほしいと言ったのでした。その後しばらくは男からの電話を無視。まさか学校に奥さんが来ないか少し警戒しました。
どのくらい経ったか、高校卒業する少し前くらいかに男から電話がきて、もう心配要らないと。嫌な思いをさせて悪かった。そう言われました。
「で?奥さんはなんて?」と言いたいのを我慢して「大丈夫。さよなら」と言って別れました。迎えに来ても、無視して通り過ぎました。
高校を卒業して就職し、携帯番号も変えて、新しい生活は楽しくて男の事など忘れていました。
ただ、自分も少し大人になって「不倫は良くない事だった、でもあの人達の結婚は私が悪い前に奥さんも分かっていて結婚したから、どうなんだろう?」と、考える事がありました。
研修や出張が多く、恋人と会えないぶん地元に帰った時はいつも恋人の家に入り浸っていました。
久しぶりに家で休日を過ごしていると、男から電話がありました。「たのむ!切らないで」と言われて、少しだけ話を聞こうかとしたのにだいぶ話してしまいました。
私と別れて、奥さんも納得して別居しているとの事でした。心変わりしたのに無理強いして結婚したんだから、距離を置くということになったのだそう。
その時、男は私がいなくて寂しかった。だけど、奥さんとも別居しているから苦しくはないと言っていました。何だか切ない気がしました。
男も出張が多い人だったので、次に私が東京に出張があった時に合わせて行くから、飲みに行こうと言われました。
自分は少し大人になった気がしたようだけど、結局はまだバカな若い子でした。男はその時、私とやり直せると思ったと言います。